人間が最も「意識体」に近づけるのは、夢の中かも知れません。
ほとんどの夢は意味不明で記憶に残らない変なのものです。
そんな中、リアルな体感を持った忘れられない夢があります。
25才の春、仲の良い友人が亡くなりました。突然死でした。
朝、一度起きて「しんどいから今日は休む」と母親に告げ、寝なおしたらしく
昼に母親が起こしに行った時には、すでに冷たくなっていたそうです。
医者の診断は「心臓衰弱死」という聞いたことがない死因でした。
お通夜の晩、いつの間にか眠っていまい夢の中です。
空中を飛んでいるバスを見つけ、気づいた時には中へと入っていました。
黒い影たちの中に彼を見つけ、対峙した瞬間、驚きました。
彼の顔に表情がないのです。
本物の無表情な人の顔を初めて見ました。
「なんとか、こっちに居られへんのか。」
なぜか意味不明な言葉を投げかけた私に
突然、表情を取り戻した彼は、泣き出しそうな顔で
「もう、行かなあかん」との言葉を残し、消えてしまいました。
今も表情ない彼の顔を忘れる事が出来ません。
とある休日の午後、ウトウトとつい寝入ってしまった時の事です。
突然、お腹の中で「バタバタ」と何かが暴れ回る感覚にたまらず目を覚ましました。
目覚めた瞬間、大きな毛むくじゃらのカエルのようなものが
天井の中へと消えてゆくの目撃してしまいました。
幻覚だったのか。夢の中の夢だったのか。
それでもお腹の中を暴れまわる感触を今も覚えています。
長い人生、誰もが耐え難い苦境を何度か経験します。
特に解決方法のない出来事には、心が削られます。
長い間、暗い気持ちに落ち込む中、つまらない事に気づきました。
今さら気づいても後悔の念が大きくなるだけなのに。
それでも気づいてしまったせいで、考えや見方が大きく変わってしまいます。
なんとも奇妙な気分で迎えた夜の事です。
寝落ちする瞬間でした。
白っぽい透明な手が私の右手をつかむのが見えました。
気づいた時には真っ暗な空間の中で横たわっていました。
音も光もない、まさに漆黒の闇の中です。
ただ、私の全身は経験した事のない快感に包まれていました。
「すごい、すごい」思わず叫んでしまう程の快楽です。
下品かも知れませんがsexでの快感をはるかに
凌駕する気持ち良さでした。
どれぐらいの時間、そこにいたのかは分かりませんが
今もあの空間が恋しくてたまりません。
もしかすると長い苦境の苦しさに肉体が危機を感じ、
多量のドーパミンが出ていただけかも知れませんね。
前記の夢から数日後に見た夢の話です。
上空から騒がしい地上を眺めている私がいました。
そんな中、小さな腰掛に座る若い武将の姿を見つけます。
「誰だろう、あっ、あいつは俺だ」となぜか確信しました。
次の瞬間、私は彼の中にいました。
「申し訳ありません。」膝をつき、頭を下げる武士が目の前に
現れます。
「よい、わしがゆく。」静かに答える彼が、立ち上がりました。
怒気もなく、後悔のない、覚悟の気持ちが伝わってきます。
静かな心を持った若武者でした。
ここで夢は途切れます。
今も私と真逆の心を持った彼の静かさに
強いあこがれを持っています。
最近、私の住む団地回りでカラス達をよく見かけます。
その中で、ひと際大きなカラスが「カァーカァー」と鳴いています。
いつも同じカラスなので覚えてしまいました。
休日の夕方、買い物に行くのに部屋を出て、三階の階段に向かった時でした。
突然、一匹のカラスが飛んできて、目の前のパラペット部へ止まりました。
二メートルぐらいの至近距離にもかかわらず彼は逃げようとしません。
近くで見るとかなり大きく存在感がありますが、妙な可愛さもありました。
頭を左右上下に動かしながら私の顔を覗き込んできます。
そのまま、五分以上見つめあってしまいました。
他のカラスが近くを飛んできたのを見つけて、飛び立ちました。
その夜、夢の中に彼があらわれ、大きな声で
「ここは俺の縄張りだ、縄張りだ。」と叫びながら
他のカラスを追っていました。
今日も「かぁーかぁー」と大きな声で独り飛び回っています。
2024-4-30「トリハバラ……」ってなに?TORIHABARA?
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